「出番が少なくとも…必要とされている久慈」
基本的に試合はスターティング・メンバーを最後まで使うことの多い岡田監督になり、今年は出番も一気に減って、初夏の頃は1ヶ月以上も出番がなかった久慈さんですが、藤本がオリンピック代表メンバーでいなくなってからは、接戦では代打に守備固めにとほとんど毎試合出てくるようになって、久慈ファンとしては嬉しい限り。
それにしても、8回裏の広島の攻撃、1点差に詰め寄られてなお二死一・二塁のピンチの場面で、シーツのどう見てもレフト前に抜けると思われたあの打球に追いついただけでも凄いのに、
咄嗟の判断でオーバーランしていた二塁ランナーも三塁でアウトにした洞察力・判断力はさすが。星野前監督に「久慈は将来指導者になる器」と言わせしめるだけのことはありましたね。
スポーツ紙に、「出番が少なくとも…必要とされている久慈(*)」って書かれてましたけど、伊達にベンチで戦況を見つめているだけではないってことですね。今日のプレーもそうだし、試合の流れを決める重要な場面で送りバントを決めたり、少ない出番で大きな仕事をするのがまさにスーパーサブと言われる選手だと思います。
中日の川相とかもそうですが、こういう選手がベンチにいるというのは貴重なそれだけで戦力なんだと思います。中日で井端がレギュラーになりだした頃、「もう久慈はどうでもいい」って言ってた中日ファンがいましたが、中日ファン同士で中日の話をする時、本当この人よく野球を知ってるな、ドラゴンズを見てるな、と思える人って、今も昔も久慈さんのような選手の必要性や魅力を知ってる人がほとんどなんですよね。
ちょっと前だと大西や渡邊(この辺の人たちは今はレギュラーだけど)、正津や前田幸とか。今のドラゴンズで言うと控え捕手の柳沢とか。こういう選手、いぶし銀とかスーパーサブって言われる人達が活躍して勝った試合っていうのはすごい価値があるし意義のある試合になっていると思うんですよ。そう思わせてくれるのが、まさにこの日の阪神×広島戦における久慈さんのこのプレーでしたね。
よーし、こうなったら8月のドームの阪神戦は、三塁側でタテジマ着て阪神応援するぞ~!(勿論本命は中日だけど、ゲーム差も開いてだいぶ余裕も出てきたし、ちょっとは浮気してもいいかなと…笑)。
久慈頑張れ~!
(*)
7月28日のサンスポ記事 「出番が少なくとも…必要とされている久慈」
一塁ベンチの2列目。その一番右端で腕を組み、いきなりのピンチを見つめていた。
今シーズン、ベテラン久慈の出番はめっきり減った。ここまでの出場はわずか11試合で、2安打、0打点(26日現在)。遊撃手として藤本がひとり立ちした。鳥谷というタレントも加わった。藤本をレギュラーとして定着させながらも、沖原、秀太らを先発で使い分けた昨年の態勢とは違い、きっちりと“色分け”をしているのが岡田監督の戦い方。ただ、出番は少なくとも、開幕からずっと一軍にいる事実こそが、久慈が必要とされていることを物語っている。
「練習の中で、いかにボールを多く見るかだね。守備にしても、打撃にしても。アテネ五輪期間? 当然、鳥谷がスタメンで出ると思ってるよ」
日本代表の藤本が8月にチームを離れる。鳥谷が代役を務めることは、岡田監督もすでに公言しているが、久慈は自分の役目をしっかりとわきまえている。そんなスペシャリストの存在が、実戦経験とは別の側面から、若手を成長させているのかもしれない。
「中日にいる時から、『久慈をよく見ておけ』と(阪神サイドから)言われていました。ずっとベンチにいても、試合に出ると普通にゴロを捕ったり…。その辺はマネできないですね」
この日も一緒に試合前のウォーミングアップを行っていた藤本は言う。鳥谷も「うまいの一言。ボールを待つ姿勢、受ける態勢、捕ってからも、すべてにムダがないです」と、長年のキャリアで培ったテクニックに舌を巻いた。
久慈が登場するのは、16日の中日戦(甲子園)がそうだったように、ここ一番の場面での送りバント要員もあるが、原則としては遊撃の“クローザー”。「出すときは、最後まで任せたという意味」(福原守備走塁コーチ)なのだ。
「自分の持ち場で調整はできる」
いま与えられた場所で、自分の力を出すためにやるべきことも、その術も熟知している。五輪期間中は鳥谷のサポート役として出番は増えるかも。首脳陣に安心感を与えるベテランは、きょうもベンチから目を光らせている。